幅広いバックグラウンドを活かした企画力
私の専門はヒューマン・コンピューター・インタラクション(HCI)デザインと呼ばれる分野で、その名の通り、人とコンピューターとの関わりあい方のデザインを検討する学問です。コンピューターというと理系、あるいは情報系が専門と思われがちですが、この領域でもとりわけデザインに関わる領域では実に多様な分野のさまざまな手法が用いられます。
例えば、人々の日常生活を理解するために、民族誌調査(エスノグラフィ調査)と呼ばれる調査手法が用いられます。もともとは古くは文化人類学研究で研究者たちが未開の民族の暮らしを知るために生み出した手法ですが、これが現代のデザイン研究に応用されています。また、当然、情報学研究で必須となるソフトウェア、ハードウェア、センサー技術、あるいはインターネット、ネットワークに関わる知識も求められます。今日ひとつの流行語となりつつあるIoT(Internet of Things)もHCIデザインが担う領域です。そして、プロダクトデザイン、工業デザイン、グラフィックデザインといった伝統的なデザイン分野のノウハウも必要となります。
私自身は、これらのHCIデザイン研究に関連する基本知識を抑えつつ、葬送・供養に関わるデザインに取り組むため、宗教学、民俗宗教学などの動向を抑えながら、昨今急成長を見せつつあるエンディング産業の動向を追いかけています。現状の市場分析に留まらず、これから人々に求められるものを先回りして提案できるよう、日々アンテナを張り巡らせることにより、他にない、ユニークでオリジナリティあふれる商品企画提案を提供します。